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@chikachi1053 雑記とお返事

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 5/11にいただいた拍手のお返事です。ありがとうございます!

 

> ブログいつも楽しく拝見しております!...さん

 気になる映画をどうやって見つけているのかですが、わたしは好きなミニシアターがあるのでそこで上映されているものが多いかもです。サブスクだとジャケ写が好みだったらとりあえずブックマークして、あらすじとレビュー見て合いそうか判断します。

 あとは趣味嗜好が近いアカウントの方が好きって言ってる映画をチェックしたり…。Twitterで映画タイトル+好きって検索したら、「この作品好きならこれもおすすめです」ってツイートを発見できることもあります。

 より感性が近いものを探すなら、ご存知かもしれませんが、filmarksという映画レビューアプリが便利です!自分の好きな映画のレビューを見て、自分の感想と似た意見の人を探してみてください。その人が過去に観た映画のリストを見ることができるので、すごく参考になります。邦画は気が合うけど洋画は合わんなっていう場合もあるので、何人かフォローしてみるのがいいかも。賛否両論だったり、世間の評価は悪いけど自分は好きって感じる映画から辿ることをおすすめします!

 わたしの惹かれる映画は穏やかで淡々としていて、そして少し寂しい雰囲気のものが多いですね。視点がちょっと意地悪かつドライで、でもユーモアを忘れない物語が好きです。一番好きな映画が『ペーパー・ムーン』という詐欺師と孤児の女の子が親子のふりをして旅をする話なんですが、まさしくこんな感じ。壮大な話よりも小さい世界で起こる話が好きかな。生活感がある方が好きなので。"あなた"と"わたし"くらいの小規模な世界での話で良いんですよね。究極にいえば自問自答してるだけでもいいです。

U-NEXT最強説

 これ観たい!って映画がU-NEXTだけで見放題になってることが多かったので加入しました。ミニシアター系が充実してるんですよね。一番の決め手はハロプロのライブが見放題に入ってたからなんだけど…最高だな〜!

 U-NEXTが見放題の作品数一番多いのかな?見たい作品が各サブスクに分散してるのでいろいろ登録してたから整理しなきゃ…。いまプライムとネトフリとディズニーシアターとFOD入ってるんですよね。ネトフリとFOD解約するかなあ。

 そういうわけで、早速ずっと観たかったグレムリンを視聴しました〜。ちょいグロと聞いてたけどまあ大丈夫だった。観た人ならわかると思うんだけど母は強し!ですね。キッチンのあらゆるものを使ってグレムリンを退治するママ…。ミキサーにかけられたり電子レンジでチンされるグレムリンとかさ…勢いに負けて笑ってしまったけどなかなかえげつないよ。キッズ向けだと思ってたから人が死んだのにびっくりしました。ストーリーは特にひねりないしグレムリンの見た目キモいけど、パーティしたり映画見たりはちゃめちゃなことしてるグレムリンを楽しむための映画と思えば満足です。

 昔のディズニーのVHSのCMに入ってたようなファミリー向けのクリスマス映画好きなんですよね。90年代あたりのアメリカ映画に出てくるクリスマスの雰囲気がすごく好きなので。グレムリンもそういう視点で観るとすごくわくわくしたな〜。ラストに映るクリスマスの街(書き割り?)がとても良かった。

 

 U-NEXTでこれから観たいやつメモ。ほかにもめちゃくちゃブックマークしてるんだけど、こんなのも好きそうってのがあったら教えてください。

 

・リズとキツネと恋する死者たち

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 ポスターからしてもう好き。ウェスアンダーソンが好きなので、それっぽさを感じるものを心が求めてしまう。

 

・心と体と

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 絶対好きなんだけど、食肉解体場が出てくる場面がそこそこ長いらしいので踏ん切りがつかない。

 

・リアリティのダンス

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 ホドロフスキー映画はポスターの色彩がすごく好きなのでハマると思うんだけどまだ観たことない。サイコマジックも気になる。

 

シェルブールの雨傘

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 絶対好きなのにまだ観たことない映画。カトリーヌドヌーヴ美しいね。

 

ロバと王女

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 U-NEXTで何が観られるか調べてたら見つけてしまった。お伽話のような映像が続く映画らしくて、絶対好きだな。これもカトリーヌドヌーヴだった。

 

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ジョージ朝倉の漫画が好き

 疲れている時にジョージ朝倉の漫画を読むと、疲労感が2倍、3倍にもなって跳ね返ってくる。とにかくエネルギッシュだから毎日読めない。繊細ではあるんだけど、その繊細さってめっちゃ濃いトンカツソースのベースみたいなものだから、カロリー自体は超高い。でも時々ものすごく摂取したくてたまらなくなるような中毒性があります。

 ジョージ先生では「少年少女ロマンス」が好きです。少女漫画の中で一番好きかも。一番最初に読んだジョージ作品はこれだったりする。日常生活に支障をきたすレベルでお姫様に憧れる女の子と、その子のことが好きすぎるけど素直になれずいじめてしまう顔面王子級の男の子の話。
 ヒステリックなまでに感情をぶつけ合うのでハラハラさせられるし、かと思えばすさまじいスピード感で笑いを投入してくる。ジェットコースターのような、火花のような、すべてがやぶれかぶれでヒリヒリする物語です。ジョージ先生の漫画はだいたいそうなんだけど。相性最悪のくせにどうしようもなく強く惹かれあう運命の相手、っていう関係性が好きなのは間違いなくこの漫画のせい。
 伝えたくても伝えきれない気持ちを届けたくて殴り合いを始める「ハートを打ちのめせ!」と、昔の女友達に囚われたままモラトリアムの中でもがき苦しむ「ハッピーエンド」もいいよ。
 わりと昔の作品ばっかり読んでいるので最近の作品は手をつけていなかったのだけど、東京行きの夜行バスを降りて、仮眠を求めて入った漫喫で読んだ「ダンス・ダンス・ダンスール」。相変わらず青臭くてめちゃくちゃで、とめどないエネルギーに満ちていて、とても良かったなー。同じくバレエが題材のプリンセスチュチュを観たからか、そんなことを思い出したり。

 ジョージワールドの登場人物はだいたい後先考えてなくてアホで自分勝手で情けない。「あなたを幸せにしたいからあなたを助ける」じゃなくて「自分が幸せになりたいからあなたを助ける」、そういうひとたちばかり。それはとても自分本位な考え方で、だからこそ嘘がない。そんな正直さを描いてくれるところや、だめだめなひとたちにもどんな形であれ(客観的には不幸でも)救いを見せてくれるところがすごく好きだと思う。

 

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ロボとーちゃんのこと(ネタバレしてます)

 「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」の話していい?(入りが雑すぎる)

 

 ある日怪しいマッサージ店に行ったひろしがロボになって帰ってきた!と思ったけどロボのひろしは記憶を植え付けられた偽物で、本物のひろしは無事!ひろしとロボひろしでひろしの座を賭けてバトル!本物のひろしが勝利してロボひろしは機能停止!

 

 って感じの話だけど、もうこれがめちゃくちゃつらい映画なんですよね。
 ロボとーちゃんだって体はロボだけど彼が持つ記憶は本物なんですよ。家族と過ごしてきた思い出や妻と子どもと犬を愛している気持ちは本物のひろしのままであり、だからこそ抱きしめようとしたみさえが自分の横を走り抜けて本物のひろしの胸へ飛び込むシーンとか……きつくないですか……。ロボとーちゃんは野原家にとっては偽物で、けれどロボとーちゃん自身にとっては本物のひろしなんですよ。でも今まで一緒に過ごしてきた家族からは選ばれなくて、自分と似た他人が選ばれるんですよ。そして機能停止……すなわち死ぬことになるんですけど、すごく残酷だなって……。存在は他人から認知されないと確立されないんですよね。本当に悲しすぎる。


 鬱映画の代名詞といって過言ではない作品に「ダンサーインザダーク」という映画があるんですけど、ロボとーちゃんの方がわたしはつらかった。ダンサーインザダークもめちゃくちゃ気持ちが急降下したけど!耳の中に水が入っているようないやな感じがずっと続いて、それがどんどんひどくなっていって後戻りできなくなるような。でもあれは最後が完璧なんだよね……。全然幸せじゃない結末なんだけど、すごい完璧な終わりだな、と思った……。

 なんだかんだでロボとーちゃん見応えある映画なので、ぜひ視聴して一緒に鬱になってください。

 

 あとこの映画には黒岩仁太郎っていうかわいくてかわいそうな成人男性が出てくるので見てください。

 

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他人に勧めにくい好きな映像作品のこと

 Gyaoで配信してるファンタスティックプラネット見ました。絵のインパクトがでかすぎて最初は話に入っていけなかったけど、ちゃんと最後まで見たら王道なストーリーでした。異星人VS人間みたいな。それを加味しても全体的にサイケで電子ドラッグなアニメではあるので、YOUTUBEの予告動画見て大丈夫そうなひとはおすすめです。6月1日までらしいよ!

 同じくGyaoでストリートオブクロコダイルというシュヴァンクマイエル系の作品も放映しているらしく…見たい…。でも小道具で本物の臓器を使ってるって見ちゃって、ちょっとそれは…でも見たい…。

 最近心の栄養になる作品ばっかり見てたので、悪趣味でシュールなのも見ないと人間としてバランス取れない気がしてます。そんなにたくさん知ってるわけじゃないんだけど、すごく好きな作品があるからそのお話を…。

 

・『ジャバウォッキー』ヤン・シュヴァンクマイエル

※人形損傷とか虫とか舌とか注意!

 シュヴァンクマイエルならアリスが有名だけど、わたしはこっちの方が好きです。短編ストップモーションアニメ。風邪引いたときに見る悪夢のような、不気味とかわいさとシュールがごった煮になった映像作品。鏡の国のアリスに出てくるジャバウォックの詩から着想を得たらしいです。無機物(特に生肉)が元気に飛び交うのがシュヴァンクマイエル

 テンションがとにかく高いので、わけがわからなくても謎のエネルギーに押されていつの間にか見終わってます。一個一個の造形が細かいし、どういう脳みそしてたらこんなん考えつくんだろう…っていつも思う。人形の中から人形が飛び出したり、人形が煮込まれたり、人形が人形食べたり。ストーリーは特にないです。コラージュっぽいかなあ。

 とにかく人形がいっぱい出てくるのと、上に書いたみたいに人形を壊す描写が多いので、そういうの苦手なひとは見れないかも。あと10秒くらいですが虫も出ます。人間の舌もちょっと出ます。今回肉は踊りません。慣れてないひとはご飯食べながらの視聴はやめた方がいいです!

 アリスはちょっと前までプライムビデオで配信されてたからまた見るチャンスあるかもしれないけど、円盤買う以外でジャバウォッキーを普通に見るのは難しいかもしれない…。でもユジク阿佐ヶ谷で定期的にチェコアニメ上映してるので、見るチャンスはあります!悪夢っぽいメルヘン好きなひとは本当におすすめ!


 気持ち悪い描写はあるけどそんなにグロくはないと思う…けど、人形があれそれなってるので人によってはけっこうグロなのかもしれない。わたしが無理なのは人体とか動物が損傷するタイプのグロ描写です。パラサイトのバイオレンス描写は手で顔を隠したし、カメラを止めるな!の前半はほぼほぼ目をつむってたレベルの心臓の弱さなので…。自分の怪我すら見たくない。

 造形がキモくて不気味とか明らかにモンスターなのは全然見られます。チェコ人形アニメーションなんかは古い作品ほど不気味さを醸し出してて素敵です。リアルな方向性を追求してるものが見たいひとは有識者にお尋ねください…。あくまでもメルヘンやファンタジーの範疇でやってるのがわたしの好みなので!

 

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『山羊の羊の駱駝の』のこと

 苦手だけどふとたまに読んでしまって、やっぱ好きになれないな〜って思う漫画があります。でもまた半年後くらいにどうしても読みたくなって、気持ち良くなれないとわかりつつも本を開いてしまう。

 大島弓子の『山羊の羊の駱駝の』という漫画です。

 

 エリート家庭に生まれ、体裁を気にする親の元で真面目に生きてきた雪子は、ある日街中で出会った天使様の格好をした募金のお兄さんのためになりふり構わずお金を集める。親の財布から抜き取ったり、クラスメイトに嘘をついたり、時にはヌード写真と引き換えにして得たお金を持って天使様の元へ足繁く通う。天使様の募金箱へお金を落とすと、リンゴンリンゴンと鐘に似た音が鳴る。「ありがとう」天使様は笑う。その笑顔がほしくて、必要とされているのだと実感したくて、とうとう万引きに手を出してしまう。募金のお兄さんはただの詐欺師で、集めたお金は仲間とのパーティーに使われる。長く短い夜のうちにあっという間に溶けてしまう。でも雪子はそのお金が何に使われているかはどうでも良くて、ただリンゴンの音を聴くために募金をする。

 

 どう考えても怪しいバイトのはずなのにぼけっと付いていくところも、クラスメイトに止められても気に留めないところも、読むたびに全部全部腹が立ってしまって、雪子のどうしようもなさ、考えのなさ、すべてが嫌いだった。

 でも、雪子が「真面目そうだった」から、それがどうしたのだろうとも思っていました。
 真面目そうだったから常識があるわけではない。真面目そうだったから人の気持ちを考えられるわけではない。どんなひとにでも自分自身の王国があって、たまたま今目の前に見えている世界と価値観のずれが少なかったから、みんな順応できているように見えるだけ。内に燃えたぎるマグマのことを、雪深く埋もれた孤独のことを、他人には理解が及ばない信条のことを、一体誰もどうやってわかった気でいられるというのだろう。ずっとそう思っていました。

 

 自分や世の中との間に矛盾を抱えている物語が好きだから、この作品だけではなく、「自分だったら絶対にこんなことしない」という理由で批判してる意見を見ると、どうしてそんなことが言い切れるんだろうかといつも思います。映画の『寝ても覚めても』とかもそうなんだけど…。

 その行為自体は全く褒められたものではないし全然肯定できないけど、誰かを傷つけてでも自分の意思を貫かなければいけない場面に直面すると、倫理観を壊してでも突き進んでしまうこともある。そういう瞬間は誰にでも訪れる可能性があるんじゃないでしょうか。

 わたしも悟ってるわけじゃないんで、雪子にしても朝子にしても最低なことしてるな〜って思います。でもこういうどうしようもない渦の中にある作品のことを嫌いになれないんです。余談だけど『宮本から君へ』がそういう話と聞いているので、ぜひ見たいです。

 

 『山羊の羊の駱駝の』は苦手だけど、自分の中の抱えきれないぐちゃぐちゃした思いに形を与えて昇華してくれるのが創作物で、それは作品が好みとか好みじゃないとか、時には倫理観でさえ関係ないんじゃないかなあ。その思いが自分を悩ますものであればなおさら向き合うことは苦しい。

 でもそんな物語でも、好きじゃないまま大事にしたっていいって、この漫画を読むたびに思います。

 

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うつし世のためのお伽話(プリンセスチュチュ感想とハグプリのこと)

 プリンセスチュチュの感想とか。スタッフさん繋がりでハグプリのことも書いてます。どっちもがっつりネタバレしてるので、これから見ようとしている方はご注意を!

 

 

 昨日から見始めたプリンセスチュチュ、次どうなるんだろう…の気持ちが止まらなくなって、次の日の昼にはもう見終えてしまった…。かわいくてメルヘンなおとぎ話、ただよう不気味な雰囲気・音楽・キャラ造形、自問自答と葛藤、そのほか諸々の大好きな要素てんこ盛りでめちゃくちゃ素敵な物語でした!なぜもっと早く見なかったのか…。

 リアルタイムで序盤を見てた頃もあったんだけど、ふぁきあとみゅうとのすさまじいBL臭とちょっと怖い雰囲気しか覚えてなかった。ふぁきあとあひるの関係が変わっていくことを大人になってから知ったんだけど、じゃあ見よう!〜そして数年の時が経ち〜って感じで今までちゃんと見れてなかったんだよね。やっと見れて良かったです。

 見終わった感想としては、


 ハッピーエンドで良かったーーー!でも切ない!良かったけど良かったと素直に言えない!!!つらい!!!だけどそれはわたしのエゴ!ウワーーーーーー!!!


 って気持ちが正直なところです。ねえ、みんなどんな顔であのラストを見たの…。

 あひるがただのアヒルに戻っても、人としてふぁきあのそばにいられなくなっても、本当の姿で自分の物語を歩いていくこと、それがあひるとふぁきあの望みだったからこれで…これでええんや…って自分を納得させようとしてるけど、普通につらくないですか?でもそう思うこと自体、物語の向こう側にいる作者と戦ったふたりに対してとても失礼なことなのでは…と考えたりして、わたしはもうどうしたらいいかわからないよ…。

 でも再びあひるが人間に戻ることはできなくても、あひるの残したものはちゃんとあの世界に残ってる。なぜか真ん中を空けて歩いてしまうぴけとりりえだったり、ずっとそばにいるというふぁきあの約束だったり。女の子のあひるもチュチュとしてのあひるも、姿はただのアヒルでも彼女の中に息づいているんですよね。


 卵の章まで見終えたとき、あまりにも無駄がなく緻密に綴られた物語にものすごい感動を覚えたんですけど、そもそもそういう風になるよう作られた物語だったんだから当然のことなんだよね。って気づいて暴れ回りたくなった。メタに取り込まれてる!

 ドロッセルマイヤーにとっての一番の計算外は、ふぁきあが倒れたまま幕を閉じるはずだった章の終わりに、彼の操り人形だったエデルさんが他人のために自分の身を燃やしたことなんじゃないかなあと思う。エデルさんの燃え残りで作られたうずらは物語の登場人物ではないから、時間が止まってもみんながカラスになっても、はたまた物語の外側においても自由に動くことができた。それが物語の根幹を揺るがす鍵になっていたのかなと思います。


 わたしはハグプリを見てからチュチュを見て、しかも総監督が同じひとと知ってから見たので、いろいろと重なるところがありすぎて興奮してました。

 何でもできる。何にでもなれる。自分の意思で明るい未来をつかみ取ることを唱えていたハグプリ。

 舞台装置じゃない。誰かの操り人形なんかじゃない。自分の物語は自分で決めることを叫んでいたチュチュ。

 佐藤さんは十何年経っても変わらないテーマを描き続けているんだなって…胸が熱くなる。


 ハグプリの時にも思ったんだけど、要所要所、物語的にはおいしいであろう感動展開に進めていかないところがすごく好きだな〜って…。

 ハグプリでいうと


 ・はなちゃんとはなちゃんをいじめた相手が和解する

 ・怪我をして選手生命を絶たれたアンリくんの足が完治する

 ・ハリーへの叶わない恋が成就する

 ・ルールーが今の時代に残ってくれる


 とかかなあ。みんながみんな完璧に救われるような物語だってわたしは好きだし、それは否定されるべきものではないです。でも、本当に起こってほしい奇跡を起こさないことで、物語の登場人物を装置としてではなく、ひとりひとり生きている存在として尊重しているんだなと感じていました。

 物語はその結末を迎えれば、読み手としてはいったんそこで終了する。けれど物語が終わったとしても登場人物それぞれにも彼らの人生があり、わたしたちが閉じた物語の中でずっと続いていくものなんですよね。わたしたちが知らないだけで彼らの現実を生きていく。

 レーツェルはカロンに思いを告げず別の人と結婚する。猫先生やアリクイ美ちゃんのように動物がしゃべる世界は消えてしまう。あひるは人間にはなれず湖を泳ぐアヒルのまま。

 ハグプリもチュチュも奇跡の物語なんかじゃない。ちゃんと傷ついて、悲しんで、けど喜びを感じられて、そんな現実への回帰を目指す物語だと思ってるから、すごく誠意のある終わり方だと思います。辿るのは望んでいた道じゃなくても、自分の意思を大事にしていればそれがこれからの道行きを照らす希望になって、また別のかたちで幸せをもたらしてくれる。現実ときちんと向き合った上で、前向きな答えを提示してくれる作品でした。


 あ、あと12話のふぁきあの破壊力はなに?今までのやなヤツ!感があるからこそのギャップ萌えが…。ただの思春期じゃん!!!これ、かもかてのタナッセが愛情反転した時に覚えた感情と同じやつだ…。そのうえ終盤にふぁきあがあひるのことを慈しむような目で見たり、優しい声で答えたりするのが…だからこそのラストが…泣いちゃう…。

 そしてドロッセルマイヤーとジョージを重ねてみたり。ジョージは「そしてお姫様は幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」のままを望んでいたから、ドラマティックな悲劇を求めていたドロッセルマイヤーとはまた違うんだろうけど。でも、クライアス社員をプリキュアを成長させるためのかませ犬として認識してたところとか、はなちゃんは別として誰も彼も舞台装置としか思ってなかったんだろうな〜。ドロッセルマイヤーだ…。

 


 ぜんぜんまとまってないけど感じたこと勢いで書いたらすっきり!普通に円盤欲しくなったな…。いまは宝物みたいな気持ちでチュチュのことを思います。ナイトメアプロジェクト好きなひとは惹かれる部分多いと思うから、ぜひ見てほしい〜!FODとHuluとバンチャとdアニメストアで見れるので…何卒…。

 

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