夜に書く

@chikachi1053 雑記とお返事

ジョージ朝倉の漫画が好き

 疲れている時にジョージ朝倉の漫画を読むと、疲労感が2倍、3倍にもなって跳ね返ってくる。とにかくエネルギッシュだから毎日読めない。繊細ではあるんだけど、その繊細さってめっちゃ濃いトンカツソースのベースみたいなものだから、カロリー自体は超高い。でも時々ものすごく摂取したくてたまらなくなるような中毒性があります。

 ジョージ先生では「少年少女ロマンス」が好きです。少女漫画の中で一番好きかも。一番最初に読んだジョージ作品はこれだったりする。日常生活に支障をきたすレベルでお姫様に憧れる女の子と、その子のことが好きすぎるけど素直になれずいじめてしまう顔面王子級の男の子の話。
 ヒステリックなまでに感情をぶつけ合うのでハラハラさせられるし、かと思えばすさまじいスピード感で笑いを投入してくる。ジェットコースターのような、火花のような、すべてがやぶれかぶれでヒリヒリする物語です。ジョージ先生の漫画はだいたいそうなんだけど。相性最悪のくせにどうしようもなく強く惹かれあう運命の相手、っていう関係性が好きなのは間違いなくこの漫画のせい。
 伝えたくても伝えきれない気持ちを届けたくて殴り合いを始める「ハートを打ちのめせ!」と、昔の女友達に囚われたままモラトリアムの中でもがき苦しむ「ハッピーエンド」もいいよ。
 わりと昔の作品ばっかり読んでいるので最近の作品は手をつけていなかったのだけど、東京行きの夜行バスを降りて、仮眠を求めて入った漫喫で読んだ「ダンス・ダンス・ダンスール」。相変わらず青臭くてめちゃくちゃで、とめどないエネルギーに満ちていて、とても良かったなー。同じくバレエが題材のプリンセスチュチュを観たからか、そんなことを思い出したり。

 ジョージワールドの登場人物はだいたい後先考えてなくてアホで自分勝手で情けない。「あなたを幸せにしたいからあなたを助ける」じゃなくて「自分が幸せになりたいからあなたを助ける」、そういうひとたちばかり。それはとても自分本位な考え方で、だからこそ嘘がない。そんな正直さを描いてくれるところや、だめだめなひとたちにもどんな形であれ(客観的には不幸でも)救いを見せてくれるところがすごく好きだと思う。

 

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