マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル
My French Film Festivalというオンライン映画祭を見っけた!
短編や長編の最新フランス映画が無料でたくさん配信されています。50作品以上かな。5/25まで開催してるらしいので気になる方はぜひ!わたしはさっき発見してからかぶりつくように見てしまった。ありがたいことにほとんどの作品に日本語字幕が付けられるので、フランス語わからなくても全然大丈夫です。10〜20分の短編がいっぱいあるの嬉しい。
公式HPから観るのはアカウント登録が必須なんだけど、YouTubeでも配信してるので、公式HPで好みの作品探しながらYouTubeで観るのがいいかな。上のトレーラーから飛べます。
今日は比較的軽いのを中心に観たので、明日はもうちょっと重めのか長編見たいな〜。フランス映画の色彩がとても好きです。どういうこと???みたいな話もあるけど、目で楽しむのも十分あり。
今の時点で観た作品をメモ。
・真西へ
この映画祭で一番好きな作品かも。心配性なお父さんのせいで男友達への接し方がわからなくなる9歳のマチルド。大人というのは周りに仕立てられるもので、自分じゃない誰かに急かされて男と女になっていくんだな。もどかしさと切なさと、変わらない友情が与えてくれる幸福感が詰まったとても素敵な話でした。
・美味しい美女
ポップでキュートでカラフル。人肉食で野菜恐怖症のオスカーがベジタリアンに恋した話。画面が楽しいしみんなクレイジー。にんじんに怯えるオスカーがかわいいです。直接的なグロはクレイアニメっぽいので表現されてるから観られるけど、たまにドキッとするシーンがある。おしゃれでひねってて面白いけど、ちょいちょい引っかかりを感じたから個人的な評価はふつう。
・雷の子供たち
退屈を持て余した子どもたちがキャンプから逃げ出して踊ったり戯れたりする。筋書きらしい筋書きは特にないので最初は退屈だったけど、中盤は目を惹きつけられた。まだ幼い未分化な子どもたちの神秘性が爆発している。男でも女でもない。人間でもあるしそうでない存在でもある。子どもってあいまいな境界をゆらゆらしながら生きているんだな〜。めっちゃおもろいとは言い難いけどけっこう好きな作品です。
・ジュディット ・ホテル
不眠症で悩むレミが永遠の眠りを求めてあるホテルへ宿泊する話。世にも奇妙な物語だった。赤と青のコントラストとかミニスカメイド部隊とか、世界観が作り込まれている。これ好きな人めっちゃ好きだろうな。シャイニング思い出した。最初から最後までばしっと決まりすぎててわたしはあんまり合わなかったけど、おしゃれかつ奇妙な話が好きなひとはすごくおすすめです。
潔癖症かつ几帳面な超神経質青年の日常をのぞき見る感じの作品。台詞はないんだけど音楽が良い。色使いも好みでした。ミニチュアの世界を上から眺めている気分。途中でめちゃくちゃ不穏な感じになって焦った。なんで!?ってなったけど、毎日淡々とルーティンをこなすことが生きがいの人にとっては、ほんの小さな黒いシミでさえ許せないものなんだろうか…。ちょっと突飛に感じてしまった。
・私たちの愛は誰にも負けない
引っ越しで離ればなれになってしまう小さな恋人たちの話。男の子が語る愛は大人顔負けで微笑ましく思えるんだけど、愛する気持ちの大きさに、大人と子どもで差異なんかないんだよな〜。みんな自分の世界の中で必死に愛することをしている。当人たちにとってはごっこでもなんでもなくて、一世一代の恋なんだよね。そういうの年をとると忘れがちだなって反省した。
・肉体と火山
お父さんと二人で暮らす心臓病持ちのロラの話。ずっと空虚な空気が漂っているけど、映し出される風景や物のひとつひとつがとても美しくて、孤独なロラの目に見える世界はこんなんなんだなって思った。心臓なんてただの肉と言い切るロラがかっこよくてとても寂しい。肉体という地面を解放して、火山が爆発するように走るロラが印象的だった。抽象的だから謎な部分も多かったけど、言葉よりも視覚で語る作品でした。