夜に書く

@chikachi1053 雑記とお返事

恋の呪いは桜色

 『リザとキツネと恋する死者たち』観ました〜。

1970年代のブダペスト。日本大使未亡人の看護人として住み込みで働くリザの心のよりどころは、日本の恋愛小説と、リザにしか見えないユーレイの日本人歌手、トミー谷。彼の軽妙な歌声が孤独な毎日を忘れさせてくれていたが、30歳の誕生日、恋愛小説にあるような甘い恋に出会うべく、リザは意を決し、未亡人に2時間だけ外出許可をもらう。だが、その間に未亡人が何者かに殺害され、さらに、その後も彼女が恋した人が“死者”となる奇怪な殺人事件が次々起こり・・・。

 

 今まで観た映画の中でもトップレベルにへんてこだった。キュートな恋愛ものかと思いきや、どんどこ人が死ぬしちょっとグロいし急に踊り出すしメロンスープとか謎料理が出てくるし終始国籍不明の日本歌謡が流れてるし…。シュール極まりない状況の中でも、真面目に愛を追い求めるあまり雑誌に彼氏募集の広告を出しちゃうリザはとてもかわいい。なんなんだろうな…。なんか突っ込みどころが多すぎるので見てくださいとしか言いようがない。めっちゃ面白いです。

 監督の日本好きをこれでもかと詰め込んでいるんだけど、出てくる日本モチーフのものがだいたい怪しい。日本語もだいたいカタコト。トミー谷の不思議な日本歌謡が耳に残ります。絶対日本人じゃないだろ。外国から見た日本ってこんな感じなのかな〜?この映画をお寿司でたとえるならば、回転寿司で回ってるカリフォルニアロールです。終盤のすごく大事なシーンの日本語が全然聞き取れないので何言ってるか教えてほしい。

 作品のポスターからして素敵なんだけど、色使いやファッション、出てくる小物がとってもかわいい!観ているだけですごく楽しい気分になれます。人はめっちゃ死ぬけど。

 

 リザの元にやってくるのは味覚死んでるマンとかやたら棚の中に入りたがる童貞男性とかで、あまりにも人を選ばないせいで変態大博覧会みたいになってるんだけど、リザは本当は単に彼氏がほしいアラサー女子ってわけじゃない。とにかくロマンチストで逆にそこが浮世離れしているくらいすれてなくて、まっすぐに愛を追い求めてるひとで、彼女が強く愛を欲しているのには理由がある。とても切ない。でもクソ真面目なのが逆におかしいんだよね。セクシーさで相手を誘惑するために自室のレースのカーテンをワンピースにしたり…。透け感どころじゃない。

 そしてリザと良い雰囲気になる人はみんな死んでいく。これでもかというくらい死んでいく。家の中では死体のテープが増えていく。途中でピタゴラスイッチみたいになって笑っちゃった。あまりにも死んでいくものだから、これはキツネの呪いなんだ〜!って怯えるリザ。死に方がわりとエグい。

 

 いろんな変人が出てくるんだけど、リザを見張るために同居する刑事のゾルタンがいいキャラしてます。イケてないぶっきらぼうな感じのおじさんなんだけど純朴な優しさがかいま見えるし、ハンカチ拾ったくらいで死ぬ世界なのにひとりだけギャグ漫画の登場人物並みに生命力が強い。この映画の見所はバランスボールの使い道とバリエーション豊かに死にかけるゾルタン刑事です。

 

 本当に変な展開が多くてめちゃくちゃにこんがらがりながら話が進んでいくけど、こんがらがった糸の先には晴れやかな空が広がっている。そんな不思議な物語です。最後の最後まで笑わせてくれるし。観終わった後、なんだか無敵な気持ちになりました。めちゃくちゃクセが強いから万人向けではないんだけど、リザが見つけた真実の愛がどんなものなのか、ぜひその目で確かめてほしいです。

 

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天使の羽をもがれたから

 やっぱり『真西へ』のことがすごく書きたいなあって思ったので、前のブログでも少し触れたけど、もう一回書きます。
 無垢な子どもが異性というくくりを意識してしまう瞬間や、子どもが大人になる一歩手前を映したショートムービーなんですが、主役の女の子の繊細な表情や、その心の動きに合わせた光の映し方がとても素晴らしいので、興味を持ったひとはぜひ見てほしいです。かわいくて、ちょっとだけ切なくて、でもやっぱりかわいいなあって思えるそんな話なので。

 下に内容ほとんど書いちゃってるけど、読んだら面白くなくなるような話でもないんで、ネタバレ読んじゃっても問題ないです。

 

9歳のマチルドは、バカンスの終わりを友人たちと海辺で楽しんでいる。すると、彼女の父親が、彼らのある遊びを曲解してしまう。

 

 ある遊びっていうのはマチルドが男の子の友達のシモンとクラゲで実験して遊んでたっていうだけなんだけど、部屋に鍵をかけてたせいでシモンにキスとか嫌なことをされたんじゃないかとお父さんに勘違いされてしまう。心配したお父さんが「男には気をつけろ」「男に変な目で見られてないか」「もう子どもじゃないんだ」って言うものだから、マチルドは今までシモンをそういう風に見たことがなかったのに、次にシモンと会った時になんとなくギクシャクしちゃうんです。
 それが原因で夜に披露する予定のダンスの練習に集中できなくなって、同じ部屋にいたシモンに「出て行ってほしい」と言ってしまう。怒ったシモンのお姉ちゃんはマチルドをダンスのメンバーからはずしてしまいます。もやもやした気持ちを持て余したまま外へと飛び出したマチルドは、海辺をあてもなく歩き回ったり、ふてくされた顔で落ちてた鳥の羽をぶちぶちとむしったりしてるんだけど、それを見てたら大島弓子の『山羊の羊の駱駝の』に出てくるモノローグを思い出しました。

 

天使の羽をもがれたから

クリスマスソングは歌えない

だけど来年には

新しい羽もはえてこよう

来年でだめならさ来年

さ来年でだめならその次の年

五年後でだめなら十年後

やっぱりあたし

クリスマスソング歌いたい

 

 『山羊の〜』と『真西へ』のストーリーはもちろん全然違う。『山羊の〜』で"天使の羽"が指すものはおそらく無償の愛や誰かに何かをしてあげたい気持ちで、けれどここに"男女の区別がない純粋な好きの気持ち"を当てはめてみると、なんだか『真西へ』にぴったりだなあ〜と思いました。


 昔はみんな男とか女とかそんなこと意識せずに遊んでいたのに、いつのまにかそうじゃなくなってしまっている。男らしさとか女らしさとか、男女の友情はありかなしかとか、異性というものを意識せざるをえない環境に否応なしに押し込められる。たとえ無理矢理に羽をもがれることがなくても、大人へ近づく毎にそれはだんだんとはえ替わらなくなっていって、最後の一本が抜け落ちる頃にはとうに二本の足で地面を歩いている。マチルドとシモンもいつかはそうなるんだろうけれど、マチルドは自分でそのことに気づくよりも早く、お父さんが気づかせてしまった。
 「この瞬間からわたしは大人だ」って自分で線を引くよりも、他人から自分が何者であるか指摘される方がより実感として胸に刻まれるのはなんでだろうな。
 女とか男もそうだけど、大人って、大人になってしまうんじゃなくて大人にさせられるんだと思うんですよね。体は確かに成長する。けれど体だけが大きくなったって大人になることはできない。人を大人にするのは「もう大人でしょう」とか「大人なんだから」とか、そんな類の、祝福のような呪いのような言葉なんじゃないかな。大人が大人らしくあるのは、そうやって定義された枠にぴったりと収まることができるようもがいてきた結果にすぎないんだと、そんな気がします。

 

 その日の夜、マチルドは自分が参加できなかったダンスをただ眺めるしかなかった。シモンはそんなマチルドを盗み見て、マチルドを笑わせるために踊っているお姉ちゃんにいたずらをする。お姉ちゃんはめちゃくちゃに怒るけど、シモンはしてやったりって感じでマチルドに笑いかけます。それを見たマチルドも前みたいな無邪気さを取り戻してシモンに笑顔を見せる。
 マチルドの天使の羽はお父さんの勘違いで少しもがれてしまったけれど、まだぱたぱたと羽をはばたかせているシモンのおかげで、マチルドは天使のままでいることができました。きっと来年、シモンとまた顔を合わす時にはマチルドの羽は元どおりきれいになっているんじゃないかなあ。
 
 『真西へ』を見たら、わたしは本当にこういう話が好きだなあ…と心底思い知らされました。何かと何かの境界や、そこを行ったり来たりしたり、あるいは越えてしまう瞬間を見たくてしかたないんですよね。不思議だあ。

 

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“それ”から逃れることはできない

 毎日映画しか見てね〜。今日は『イット・フォローズ』観ました。

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19歳のジェイはある男から“それ”をうつされ、その日以降、他の人には見えないはずのものが見え始める。動きはゆっくりとしているが、確実に自分を目がけて歩いてくる“それ”に捕まると確実に死が待ちうけるという。しかも“それ”は時と場所を選ばずに襲ってくるうえ、姿を様々に変化させてくるのだ。いつ襲ってくるか分からない恐怖と常に戦い続けながらジェイは果たして“それ”から逃げ切ることができるのか!?

(公式HPより引用)

 

 この監督のデビュー作の『アメリカン・スリープオーバー』っていう10代の子たちの夏の夜を描いた映画が大好きなんです。ただ後に続く2作がホラーなんで観るのを躊躇ってたんだけど、『イット〜』はあまりグロくないと聞いたので挑戦してみました。


 "それ"ってセックスで移るものなんですけど、元彼に移されてからというもの、おばあさんだったりめっちゃでかい兄ちゃんだったり、"それ"が色んな姿でジェイを追ってくる。いつどこに現れるのか全然わからないんですよね。わからないんだけど、たいていは真正面からじゃなくて後ろからゆっくりと歩いてくる。なのでジェイも全然気づいてないから「志村後ろー!」って何回叫びたくなったことか…。怪しい雰囲気の時は怪しいBGMが流れるから来たぞ!って心の準備はできるけど、ジェイの準備ができてるかは別問題なんですよね。めちゃくちゃハラハラします。恐怖が次から次へとやってきて息もつかないというより、じわじわと酸素を奪われていくような恐怖です。


 "それ"ってほとんどが白い服なんだけどなぜかたまに全裸。屋根の上に仁王立ちしてるのはもはやギャグ。あと寝てる時には襲ってこないんですよね。マナーを弁えた恐怖だな。
 グロは本当に全然なかったから安心して観れたんだけど、序盤にバーン!となかなかハードな絵が映されます。終始画面が美しいのとそこまでアップじゃないので、あ〜とは思ったけど時間が短かったしわたしは耐えられました。いつもホラー映画見慣れてるひとなら全く問題じゃないと思う。人体破壊がキツいひとは序盤だけ注意してください!わざわざ入れる必要あったのかなー?"それ"のヤバさを表現したかったってのは理解できるけど。

 

 『アメリカン〜』もそうなんだけど、どこを切り取っても映像が美しかったです。彩度低くシャープ強めな引きの多い画面が本当に好み。主人公の家周辺すごい見覚えあるなって思ったら、『アメリカン〜』と一緒のロケ地らしい。ミッチェル監督はプールや水辺が大好きなのかな。今回もいっぱい出てきました。それから時代設定としては80年代くらいを意識してるらしいけど、パラレル80年代って感じなのが素敵です。貝の形をした電子書籍リーダーが出てくるんだけどかわいすぎる。めっちゃほしい。

 

 『イット〜』はホラーだけにとどまらない青春ものでもあるかな。みんなで協力して"それ"から逃げたり立ち向かったり。"それ"のことを親はきっとわかってくれないと言って仲間たちだけで行動するのなんか、まさしく青春ものの定番だし。
 前作の『アメリカン〜』は卒業式を目前とした夏の夜のお泊まり会を通して、10代の少年少女が大人になる直前の怖さとかもやもやした気持ちと向き合っていく話で、劇中で「10代は神話」という台詞が出てくるんですね。この台詞がとても好きなんだけど、その神話を描いていくのがミッチェル監督自身の使命なのかなと思いました。10代の脆く不安定な部分が『イット〜』では劇中に漂う不穏な空気に落とし込まれていて、とても良かったです。台詞がひとつひとつ光っているのも魅力でした。
 前作でも思ったんだけど、ミッチェル監督は素朴で童貞くさい少年を描くのがめっちゃうまい…。仲間のうちのひとりのポールなんかまさしくそんな感じなので注目だ!

 

 派手な話ではないので、スカッとした気分になりたかったり劇的な展開を求めるとなんか違うなってなると思うけど、考察系のホラーとか好きなひとにはおすすめなんじゃないかな。ホラーほとんど観てないので何とも言えないけど。モラトリアムな話が好きなひとにも合うと思う。今はU-NEXTだけじゃくてプライムでも配信されてるらしいよ!

 

 そんでここからめちゃくちゃネタバレしてます!

 

 

 


 最後は恋人同士になったジェイとポールが手を繋ぎ、通りを歩いていて、それを真正面から映しているカットなんだけど、その奥から白い服を着たひとがふたりの後ろに迫ってきている。最初観たとき「絶望だ!」って思ったんだけど、色んな考察とかレビューとか監督のインタビュー読んでたらちょっと考えが変わりました。


 そもそも"それ"ってなんだろう。セックスで相手に移るから当時は性病のメタファーだと言われてたらしいのだけど、監督曰く性病ではないらしい。そしてやたらめったらセックスするなよとかそういう教訓めいた話でもないらしくて、生と死と愛の物語なんだとか。
 みんな限られた時間で生きていて、生きることと死ぬことは必ずセットで、セックスは生きていることの表現のひとつである。生きている以上、死は誰にでも訪れるしそこから逃れられはしない。けれど愛によってその恐怖を和らげることはできる。


 ジェイは自分に移せよと言ったグレッグとセックスして移したけれど、グレッグはあっけなく死んでしまう。グレッグがジェイのことを本気で好きかは微妙なところでした。"それ"を移してもらうことがジェイに対する償いと言っていて、過去にジェイと何かあったぽかったし。ジェイもグレッグのことが好きだったわけではない。けれどポールはジェイのことが本当に好きで、最初はただの幼なじみと思っていたジェイもポールのことが好きになる。そしてポールはジェイのことを守りたいからと自分に移せと言います。でもジェイはそれを拒絶する。好きだからこそ移せないから。
 セックスは愛がなくてもできるけど、ただ移したいがためにジェイとセックスした元彼のせいで誰にも見えない"それ"に一人で怯えることになったり、とりあえずグレッグに移したはいいものの相手が殺されてしまって自分に戻ってきた"それ"にまた恐怖したり。愛がないまま"それ"と立ち向かうジェイは孤独でした。でも、最終的に愛と覚悟を持ってジェイはポールに"それ"を移します。
 もしこの先うまく別の人に移すことができて感染者が10人20人と増えて自分から遠くなっていったとしても、いずれは自分に返ってくる可能性があるわけです。何年後かは、何十年後かはわからないけど、誰かが"それ"に捕まってしまい、どんどんと"それ"が歴代の感染者を辿って逆のぼっていく。逃げても逃げても、遠い記憶になってしまっても、またいつか"それ"の恐怖に追われる日が来る。もしくは恐怖さえ感じないままに突然訪れる。でも"それ"が人間誰しもに訪れる死の運命を指しているのであれば、ただ逃げるのではなくてどうやって付き合っていくかが大切で。

 後から知ったんだけど、屋根の上の全裸おじさん=最後にやってきたプールの男はジェイのお父さんの姿だそうです。ジェイはお父さんに対して何か性的な被害を受けたことがあるという考察も見かけました。"それ"は死であると同時に過去のトラウマでもあるのかもしれない。


 最後に映ったふたりは後ろを振り向くことなく、ぎゅっと手を握って前へ前へと進んでいる。"それ"の動きは鈍くて、しかしどこまでも追いかけてくるけれど、無理に逃げたり振り切ったりせず愛する人と未来に向かって歩いていけば、少なくとも孤独に戦う必要はないと言うことなのかな。
 監督の「愛が死の恐怖を和らげる」というのは、お互いが相手を思いやり心に寄り添うことで恐怖を分かちあえるから。そういう意味だったのかなあとわたしは思いました。

 

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こんな夢を見た

 ホラー映画見ようかと思ったけど夜だからやめた。代わりに黒澤明の『夢』というめちゃくちゃ好きな映画がU-NEXTにあったのでそれを観ました。U-NEXTほんま強い。

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 「こんな夢を見た」から始まるオムニバス形式の話なんだけど、黒澤明が見た夢を元にしてるらしいからどこか掴みどころのない幻想的な話が多いんですよね。『日照り雨』がとても好きで、これを観るだけでいつも満足してしまう。狐の嫁入りの行列を好奇心で覗き見る男の子の話なんだけど、能の動きと雅楽に合わせて歩く人型の狐たちにこの世のものでない不気味さと神聖さを感じます。まるで本当の妖怪のように見える。ちっちゃい子に見せたらトラウマになりそう。

 狐の嫁入りの行列を見てはいけない、とお母さんに注意されたにもかかわらず見に行ってしまって狐を怒らせた男の子は、狐に許してもらえるまで帰ってくるなとお母さんに閉め出されます。狐も怖いんだけどお母さんが一番怖い。世俗に生きるものとこの世ならざる存在が同居している世界観ってめちゃくちゃ良いですよね。昔々は本当にこんな、妖怪が隣人みたいな時代があったのかなって考えると過去へ行ってみたくなるな〜。最後のお葬式の話も好き。死と歌と踊りってどうしてこんな惹きつけられるんだろう。わたしが死ぬときはこういう色鮮やかで賑やかなお葬式が良い。川を超えて向こう岸に渡るシーンは三途の川の暗喩なんだろうな。

 後半は説教臭さが強い話ばっかりなのでそこが残念なんだけど、前半は妖怪のみならずな境界の話が多いので幻想奇譚という言葉が似合う。雛人形に怒られる話とかゴッホの絵の中に入る話とか、ほかにもいろんな話があります。民俗学好きなひとにおすすめな映画です。大昔に授業で観てからずっと好きだな。こういう作品をほかに探してるんだけどありそうでないんだよね。やっぱホラーを軸にして探すしかないのかな〜。

 

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拍手お返事

 5月13日にいただいた拍手のお返事です!ありがとうございます!

 

>ゆにこさん

 前にゆにこさんが死霊館シリーズ好きってつぶやいてたな〜って記憶があったので間違いない!とは思ってました。やはり面白かったです!お屋敷と少女と人形ってなんでこんなわくわくするんでしょうね。個人的にはもっとアナベル人形出てきてほしかったので、次作で補給します!

 色々おすすめありがとうございます!ブックマークしました〜。イットフォローズ、実はこの監督のデビュー作がめちゃくちゃ好きなので気になってたんです。グロくないと聞いて安心です。絶対観ます!

 死霊のはらわたの監督ってスパイダーマンの人なんですか!?そこが一番びっくりしました。ひとりで見るにはなかなかレベル高そうですね…でも3作目のサブタイトル笑ってしまう…。キャプテンスーパーマーケットって何???パッケージからしてB級ホラー感がすごい。グロって訓練でどうにかなるんですかね…。めっちゃ気になるんですが!

死霊館はアナベルの話じゃない

 死霊館観ました〜。グロくないホラーと聞いて気になってたので、勇気を出してようやく…。自主的にホラー映画を見たの初めてだな。びっくり系だったので怪しそうな場面はほぼ薄目で観てたけど、ちゃんとストーリーがあって面白かったです。子どもたちかわいすぎる。クリスティーンがめっちゃ好みだった。

 あの人に悪魔が取り憑いた時、ウォーレン夫妻にも大切な娘がいるからこそ、この家族を救ってあげたいという強い想いで呼びかけするシーンにうるっとしました。ホラー映画でも感動で泣きそうになるんだ!?って自分が一番びっくりした。

 古典的な演出ばかりなんだけど、古典が一番怖いのかもしれない。ほかのホラー映画知らないけど…。ヤバそう!って雰囲気が漂ったら律儀にヤバくなってくれるのである意味安心ではあるけど、怖いものは怖い。クローゼットの手のところとかうまいよね。怖い顔とか映んなくてもこういうやり方で怖さって表現できるんだなって勉強になりました。まあ普通に怖い顔も出てくるが。クローゼット飛び降り幽霊でめっちゃびびったし。でも怖い顔って慣れだなって思ったな。アナベル見てたらさ…。

 後半はけっこうアクロバティックに飛んだりするのでちょっと笑ってしまったな。それと、もうここ突っ込み始めたらホラーなんか観れんけど、みんななんで真夜中に地下室行ったり単独行動したりするの?ヤバそうやからやめとこ…ってホラー映画の被害者行動逆張りしまくって恐ろしいことになる話ってあるんかな。

 

 冒頭のアナベル人形のインパクトが強かったので、次はいつ出てくるんだろう〜って待ち構えてたら一瞬出てきただけで映画が終わった。え?????

 終盤でようやく気づいたんだけど、この映画の構成完全に勘違いしてたんだよね。ウォーレン夫妻が過去に解決したアナベル人形の事件を回想している物語だと思ってた。ペロン一家が買った家の地下室にアナベル人形が保管されてて、それを見つけた一家がアナベルに取り憑いてる悪魔によって悩まされ、ウォーレン夫妻に除霊を依頼する話かと…。アナベルとペロン一家関係なかったな。これは過去編見たほうがいいな〜。

 

 オカルトや不気味な話は好きだからホラーも気になるんだけど、グロのないホラーって本当に少ないんですよね。痛みを伴わないと怖くなんないの!?って思うほどに…。死霊館、全く血が出ないわけでもないし一瞬痛そうなシーンもあったけど、基本的にはゴア描写のない映画なので安心でした。死霊館シリーズはそんなに痛くないのかな?アナベルは見る予定です。

 まじで痛くないホラーあったら教えてほしい…。痛くないホラーに分類されてるハッピーデスデイなんかホラーでもなんでもなかったしな。あれはあれで面白いけど。シャイニングもホラーかと言われたら…わたしの基準ではホラーではない。サイコサスペンスじゃない?グロくないと聞いてるのは、エスター、ミスト、シックスセンスアザーズとか。エクソシスト観てみたいけど、昔CMかなんかで首一回転したのがトラウマで…大丈夫なのかな…?ジャパニーズホラーは生活に密接すぎて無理。

 本当はオリジナル版のサスペリアを観たいんだけど絶対痛いよなあ!どう!?

 

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マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル

 My French Film Festivalというオンライン映画祭を見っけた!

My French Film Festival 公式HP

 

 短編や長編の最新フランス映画が無料でたくさん配信されています。50作品以上かな。5/25まで開催してるらしいので気になる方はぜひ!わたしはさっき発見してからかぶりつくように見てしまった。ありがたいことにほとんどの作品に日本語字幕が付けられるので、フランス語わからなくても全然大丈夫です。10〜20分の短編がいっぱいあるの嬉しい。

 公式HPから観るのはアカウント登録が必須なんだけど、YouTubeでも配信してるので、公式HPで好みの作品探しながらYouTubeで観るのがいいかな。上のトレーラーから飛べます。

 今日は比較的軽いのを中心に観たので、明日はもうちょっと重めのか長編見たいな〜。フランス映画の色彩がとても好きです。どういうこと???みたいな話もあるけど、目で楽しむのも十分あり。

 

 今の時点で観た作品をメモ。

 

・真西へ

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 この映画祭で一番好きな作品かも。心配性なお父さんのせいで男友達への接し方がわからなくなる9歳のマチルド。大人というのは周りに仕立てられるもので、自分じゃない誰かに急かされて男と女になっていくんだな。もどかしさと切なさと、変わらない友情が与えてくれる幸福感が詰まったとても素敵な話でした。

 

・美味しい美女

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 ポップでキュートでカラフル。人肉食で野菜恐怖症のオスカーがベジタリアンに恋した話。画面が楽しいしみんなクレイジー。にんじんに怯えるオスカーがかわいいです。直接的なグロはクレイアニメっぽいので表現されてるから観られるけど、たまにドキッとするシーンがある。おしゃれでひねってて面白いけど、ちょいちょい引っかかりを感じたから個人的な評価はふつう。

 

・雷の子供たち

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 退屈を持て余した子どもたちがキャンプから逃げ出して踊ったり戯れたりする。筋書きらしい筋書きは特にないので最初は退屈だったけど、中盤は目を惹きつけられた。まだ幼い未分化な子どもたちの神秘性が爆発している。男でも女でもない。人間でもあるしそうでない存在でもある。子どもってあいまいな境界をゆらゆらしながら生きているんだな〜。めっちゃおもろいとは言い難いけどけっこう好きな作品です。

 

・ジュディット ・ホテル

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 不眠症で悩むレミが永遠の眠りを求めてあるホテルへ宿泊する話。世にも奇妙な物語だった。赤と青のコントラストとかミニスカメイド部隊とか、世界観が作り込まれている。これ好きな人めっちゃ好きだろうな。シャイニング思い出した。最初から最後までばしっと決まりすぎててわたしはあんまり合わなかったけど、おしゃれかつ奇妙な話が好きなひとはすごくおすすめです。

 

ストローク

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 潔癖症かつ几帳面な超神経質青年の日常をのぞき見る感じの作品。台詞はないんだけど音楽が良い。色使いも好みでした。ミニチュアの世界を上から眺めている気分。途中でめちゃくちゃ不穏な感じになって焦った。なんで!?ってなったけど、毎日淡々とルーティンをこなすことが生きがいの人にとっては、ほんの小さな黒いシミでさえ許せないものなんだろうか…。ちょっと突飛に感じてしまった。

 

・私たちの愛は誰にも負けない

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 引っ越しで離ればなれになってしまう小さな恋人たちの話。男の子が語る愛は大人顔負けで微笑ましく思えるんだけど、愛する気持ちの大きさに、大人と子どもで差異なんかないんだよな〜。みんな自分の世界の中で必死に愛することをしている。当人たちにとってはごっこでもなんでもなくて、一世一代の恋なんだよね。そういうの年をとると忘れがちだなって反省した。

 

・肉体と火山

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 お父さんと二人で暮らす心臓病持ちのロラの話。ずっと空虚な空気が漂っているけど、映し出される風景や物のひとつひとつがとても美しくて、孤独なロラの目に見える世界はこんなんなんだなって思った。心臓なんてただの肉と言い切るロラがかっこよくてとても寂しい。肉体という地面を解放して、火山が爆発するように走るロラが印象的だった。抽象的だから謎な部分も多かったけど、言葉よりも視覚で語る作品でした。

 

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